側頭葉てんかん　脳挫傷　解離 などが挙げられます。 側頭葉てんかんのてんかん発作で経験があります。記憶を司る海馬で異常な電気活動がおこる病気です。なんと過去の記憶がすっぽり抜けてしまうことがあるのです。 というのは、数年間に渡り、毎週好きなアイドルの話をしていた患者さんが、てんかん発作を起こし、アイドルのことを忘れてしまったということがありました。その後しばらくして、そのアイドルのことを好きになったようでしたが、昔の曲の記憶などはありません。 脳挫傷などの脳の器質的損傷に関しては、脳が傷つくのでどんな症状でも起こってきます。通常は記憶障害以外にも障害部位の症状が一緒に起こってくると思います。 解離はストレス反応が精神症状として起こるもので、解離性同一症（いわゆる多重人格）や解離性健忘などで過去の記憶が抜けてしまうことがあるようです。 認知症では過去の記憶は最後の方まで保たれます。新しいことを覚えられないのに昔のことはとても良く覚えているといって驚かれるご家族もいらっしゃいます。しかし、重度の認知症になると過去の記憶もうまく思い出せなくなるようです。 愛知県豊田市の心療内科　豊田土橋こころのクリニック　2016年8月開院