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むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)とは?
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)とは?
「むずむず脚症候群(RLS:Restless Legs Syndrome)」は、じっとしているときに脚を動かしたくなるような不快な感覚が出る病気です。夜や寝る前に出やすく、睡眠の質にも影響します。
主な症状
- 脚に「むずむず」「ピリピリ」「かゆい」「虫が這う感じ」などの不快感がある 
- 横になってリラックスしたときや、じっと座っているときに出やすい 
- 脚を動かすと楽になる 
- 夜間や夕方に症状が強くなり、眠れなくなることもある 
※腕やお腹など脚以外に症状が出ることもあります。
診断のポイント(チェック項目)
以下の4つすべてが当てはまる場合、RLSの可能性が高いです:
- 脚を動かしたくてしかたがない衝動がある 
- その衝動は、じっとしているときに始まるか悪化する 
- 脚を動かすことで症状が軽くなる 
- 夕方や夜間に症状が強くなる 
これに加えて、他の病気(貧血、腎臓病、神経の病気など)との区別も大切です。
原因について
- 鉄不足(体内の鉄分が少ないと脳の神経伝達が乱れます) 
- 遺伝的な要因(家族に同じ症状の人がいることも) 
- 妊娠中や腎臓病、糖尿病の方に起きやすい 
- 一部の**薬(抗うつ薬、抗精神病薬など)**が引き金になることもあります(ドーパミン系に影響を与える薬、セロトニン系に影響を与える薬など) 
治療法
① 生活習慣の見直し
- 寝る前のカフェイン・アルコールを控える 
- 規則正しい睡眠習慣をつける 
- 軽いストレッチやマッサージが効果的なことも 
② 鉄分補給
- 血液検査で鉄不足が見つかれば、鉄剤の服用が効果的です 
③ 薬物療法
症状が強い場合は、次のような薬を使います:
- ドパミン作動薬(パーキンソン病の薬の一種) 
- 抗てんかん薬(神経の興奮を抑える) 
- オピオイド系薬(痛みや不快感を抑える) 
※薬の選択は症状の強さや副作用のバランスを考えて行います。
「アカシジア」との違いは?
「アカシジア」も同じようにじっとしていられず動きたくなる状態を指しますが、特徴は少し異なります。
| 比較項目 | むずむず脚症候群 | アカシジア | 
|---|---|---|
| 原因 | 体質、鉄不足、薬など | 抗精神病薬やSSRIなどの副作用 | 
| 不快感の場所 | 主に脚、夜に悪化 | 全身に出ることもあり、時間帯に関係なし →薬の効果(副作用)が切れてくると、収まる事が多い | 
アカシジアは、ドーパミン系、セロトニン系に影響を与える薬の服薬によって起こる事があります。
個人差が大きく、上記のような違いはありますが、ドーパミン不足によるもので、症状はほぼ同じだと思います。
最後に
「むずむず脚症候群」は、きちんと治療すれば眠れるようになり、生活の質も上がる病気です。もし、「最近眠れない」「脚が落ち着かない」と感じたら、気軽に医師にご相談ください。
豊田土橋こころのクリニック 院長
2025.04.02 | よく頂くお問い合わせへの回答,医院ブログ,こころの症状や病気,不眠症(睡眠障害)
 
   