- ホーム
- 医院ブログ
- こころの症状や病気
- うつ病のすべての記事
- 「脳卒中後のうつ症状の特徴は?」
ブログ
「脳卒中後のうつ症状の特徴は?」
Post-Stroke Depression: A Review Am J Psychiatry 2016; 173:221–231
<Abstractを解説>
・脳卒中後のうつは100年以上前から言われている。
・脳卒中後のうつ(PSD)は多くの人に生じ、大きな障害となり、死亡率も上昇する。
・メタアナリシスによってPSDの治療においては抗うつ薬が効果があることが示されてきている。
・またPSDの予防に関して、抗うつ薬の効果があることも分かってきている。
・PSDへの早期の抗うつ薬使用により、身体と認知の回復が増強され、10年生存率が上がる可能性がある。
また・、PSDの病態への理解も進んできており、炎症がうつ症状の発生に関連している可能性がある。
・遺伝要因やエピジェネテッィクな要因の個人差、白質の障害、能血管系の調整がうまくいかなくなること、神経可塑性の変化、グルタミン酸系の神経伝達の変化が病因として関連している可能性がある。
・PSDのメカニズムがもう少し明らかになれば、最終的に特定の治療につながる可能性がある。
<当ブログによるコメント>
・脳卒中や、他の脳やからだの病気でうつ症状、不安、無気力、認知機能低下、躁症状、精神病症状、性格変化等が出てくる場合があります。 これらの症状が初めて出現した場合、例えば、初めてのうつ症状、特に高齢になってからのうつ症状は身体精査を行うことも重要です。
豊田市の心療内科 土橋こころのクリニック 2016年8月開院予定 (7月予約開始予定)
2016.04.10 | うつ病のすべての記事,こころの症状や病気,論文紹介,中高年のうつ病,体の病気