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「統合失調症の発症に関係する因子は?」

・遺伝と環境が発症脆弱性に影響します。

・遺伝要因の影響は比較的強く、一般人口での生涯有病率は約1%で、一卵性双生児の一致率は約50%、二卵性双生児の一致率は約10%、片親が統合失調症の場合の子供の発症率が約10%、いとこに統合失調症がいる場合の一致率が約2%と言われています。

・家族に病歴がない場合(孤発例 sporadic case)も多い病気です。

・遺伝解析によると、ドーパミン系やグルタミン酸系のシナプスや受容体に関する遺伝子異常が発症脆弱性に関与しているのではないかと言われています。これらの突然変異はランダムに起こりますから、それらの遺伝子やその影響が及ぶ遺伝子群に変異が起これば、親が統合失調症で無くても、子供に統合失調症が起こる可能性があるということになります。 ということは、例えば自身が医療者だからといって、自分の子供の統合失調症発症を防げるわけではなく、遺伝的、確率論的な意味で、家族に同じ病気が無いとしても、自分の子供が統合失調症を発症する可能性があります(この点は、ダウン症や自閉症とも同じですね)。

・環境要因としては、移民や大麻使用者、胎児の時のインフルエンザ感染やトキソプラズマ感染の影響も言われています。トキソプラズマで問題になるのは猫です。 Lancet. 2009 Aug 22;374(9690):635-45 Schizophrenia; Seminar など

愛知県豊田市の心療内科 豊田土橋こころのクリニック 2016年8月開院

2016.06.28 | こころの症状や病気,統合失調症,論文紹介,ヒトの遺伝と多様性に関して