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臨床診断されたADHDの遺伝率
The heritability of clinically diagnosed attention deficit hyperactivity disorder across the lifespan. Psychol Med. 2014 Jul;44(10):2223-9.
臨床診断されたADHDの人生における遺伝率
<コメント>スウェーデンでは全国の双子を生まれた時から追跡して病気について調べる研究が行われています。精神疾患だと自殺率解析のコホートがたしかデンマークだったような。Arch Gen Psychiatry. 2011 Oct;68(10)
<原文>和訳は当ブログによる
BACKGROUND: METHOD: 省略
RESULTS:
全体でのADHDの遺伝率 0.88 (CI信頼区間 0.83-0.92)
共有環境の効果は有意でなかった(育ちはあまり関係ない)
大人のADHDの遺伝率は0.72(CI信頼区間 0.56-0.84)とこれもかなり高い
CONCLUSIONS:
臨床診断されたADHDの遺伝率はライフスパンにわたって高い。今回の研究結果から示されるのは、これまでの遺伝率が低いとされた研究は、評価者の影響によってよく説明できるということ、また成人ADHDでの遺伝子を見つける研究では、広汎性(複数の評価者の問題など)や発達(子供時代に発症したなどの基準)の意味のある情報を考慮する必要がある。
<ブログによる総評>
ADHDは遺伝要因の影響が大きい。
遺伝要因=1親からの伝達情報+2突然変異 です。
1伝達情報が強いとADHDの症状が出やすくなります。伝達情報に関して言えば、統合失調症、双極性障害、ADHDは遺伝要因の影響が強く、うつ病は比較的弱いことがわかっています。
2突然変異によりADHD傾向の強い子供が突然生まれることもあります。父親年齢と精子の突然変異mutationの増加が子供の精神疾患発症リスクを上げるという報告もあります。これについてはまた別のエントリーで。
愛知県豊田市の心療内科 豊田土橋こころのクリニック 2016年8月開院
2016.04.02 | ADHD 多動 不注意 衝動性,こころの症状や病気,論文紹介,ヒトの遺伝と多様性に関して