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「新しいことを記憶できなくなる病気ってある?」
認知症とコルサコフ症候群(長年のアルコール多飲に引き続き起こることが多い)が代表的です。
認知症では、特にアルツハイマー病において、初期に数分程度の遅延再生(さくら ねこ 電車)が障害されます。長谷川認知症スケールやMMSEが簡便です。
MCI(軽度認知障害)に対してはMOCA-J(MMSEよりちょっと難しい)などがあります。結果として、問診の際に取り繕ったり、家族の方を振り返るhead-turning sign(振り向き兆候)が見られるようになります。
コルサコフ症候群では、数分前のことは覚えていますが、数十分前の事は忘れてしまうようです。これまで10名ほど担当したことがありますが、作話(無意識に話を作ってしまう症状)があるため、研修医の先生や他科ドクターと一緒に診察すると記憶障害がないと思われることもありました。繰り返し問診(食事内容など)したり、本人と周りの方からの微妙な話の食い違いを追って行けば、診断は容易だと思います。
アルコール依存症は自覚症状が少なく(否認の病いとも言われます。)、長期間のアルコール多飲が続くと脳萎縮、気分変動、記憶力低下、てんかん発作が出てくることがあります。最近では依存症治療に薬物治療だけでなく、認知行動療法も取り入れられるようになってきています。
うつ病では物覚えは悪くなりますが、時間をかければおおよそ思い出すことができます。
飲酒はほどほどにしましょう。相談はお気軽に。
愛知県豊田市の心療内科 豊田土橋こころのクリニック 2016年8月開院
2016.03.27 | うつ病のすべての記事,こころの症状や病気,認知症,依存症