- ホーム
- 医院ブログ
- 治療
- 心理療法
- 認知行動療法(CBT)
- 「双極性障害における睡眠相後退とは?」
ブログ
「双極性障害における睡眠相後退とは?」
Steinan, M. K., et al. (2016). “Delayed sleep phase: An important circadian subtype of sleep disturbance in bipolar disorders.” J Affect Disord 191: 156-163.
<ブログによる和訳>
双極性障害では睡眠の異常がよく出現する。一方、最も有病率の高い概日リズムの睡眠障害は、Delayed Sleep Phase (DSP) 睡眠相後退である。双極性障害におけるDSPを調べたところ、10%でDSPがみられた。DSPを持つグループではBMIが高く(太っていて)、年齢も若かった。意欲と活動性の障害も強かった。
<ブログからのコメント>
双極性障害には、睡眠障害(うつ状態で過眠や不眠 躁状態で短眠)を併発しやすいという特徴があります。この研究では睡眠相後退(症候群)が、双極性障害の10%程度に見られたようです。朝弱くて昼過ぎまで起きられない人は睡眠相後退症候群の可能性があるかもしれませんね。現在は労働形態が多様化しているので、自分の特性に合った仕事を見つけることも可能になってきていますが、
この病気をお持ちの方が、始業時間が決まっている会社や学校で適応していくのは、努力ではなんともならない面があり、単なる怠けではありません。診断(アクチグラフなど)や治療(光療法や認知行動療法など)は、専門施設で行うことになります。
外来治療でなかなか良くならない不眠症の中にこういった病気の初発が見つかることもあります。
不眠でお悩みの際は、当院へお気軽にご相談ください。
愛知県豊田市の心療内科 豊田土橋こころのクリニック 2016年8月開院
2016.04.21 | 認知行動療法(CBT),双極性障害 Bipolar disorder 1型 2型,こころの症状や病気,論文紹介